札幌市のOさまは、子どもの時に観ていた英国のTVドラマ「シャーロックホームズの冒険」に出てくるような、重厚でクラシカルなインテリアに憧れて、家を建てるなら19世紀のヴィクトリアン様式にしたいと考えておられました。
ご自分でイギリスから取り寄せた照明やスイッチパネルを使いたいと思っても、日本の電気用品安全法に非対応だと使えないなど、他社さんではOさまの希望を叶えるのが難しかったそう。そこで、輸入住宅を専門に扱うプルーデンスの家ならと、お声掛けいただいたのが家づくりのスタートでした。
ホームズの住まいは、ロンドンのベーカー街のアパートメントという設定。外観は1階に厩舎がある18世紀のミューズ・ハウスを参考に設計しました。O邸は厩舎の代わりにガレージをビルトインしています。
階段ホールの壁面いっぱいに飾られた絵画。
階段ホールは開放的な空間にすることも可能でしたが、あえて壁で仕切り、2階に細長い廊下を設け、その壁面にも絵を飾っています。
Oさま「画家だった妻の祖父が残した作品がたくさんあるので、それらを飾る壁がどうしても欲しかったのです」。
壁はドライウォール仕上げ。イギリスの塗料メーカーの色見本を参考に調合したワインレッドです。美術館のように油絵が映えるマットな質感が魅力です。
階段にはイギリスからロールで取り寄せたウールのじゅうたんを敷き、ステップごとに真鍮(しんちゅう)のパイプホルダーを取り付けました。今にもホームズがコツコツと靴音を響かせて、上がってきそうな雰囲気です。
来客にも使ってもらいやすいリビングの手前に鏡付きの手洗いをプラン。鏡の上に飾られた装飾や筒状の照明、鏡などもすべてOさまが海外から取り寄せたものを使っています。
1階にはトイレとシャワールームを完備したゲストルームを希望されました。Oさま「妻の仕事柄、海外からのゲストが多く、しばらく滞在することもあるので、お泊めできる部屋を希望しました」。ドアに鍵をつけ、ご夫婦が留守中も自由に出入りできる仕様になっています。
2階のキッチンはゲストも一緒に料理が楽しめるようオープンスタイルに。食材などをストックするパントリーも用意しました。「人に来ていただきやすい家にしたかった」というOさまご夫婦。多いときは7〜8人も集まって、にぎやかに過ごす機会が増えたそうです。
玄関ホールの書棚はプルーデンスの家の提案でした。ケージングを施し、アンティークな家具とも好相性です。左手の赤い座面のチェアは奥さまの実家から運んできたもので、この椅子にちょこんと座る幼い孫娘を描いた、おじいさまの油絵が2階の廊下に飾られています。
「他社ではできないと即座に断られることも、プルーデンスの家では基本的に実現する方向で考えてくれました。電気も生活用とオーディオ用の2系統に分けて配線してもらうなど、見えない部分も丁寧にやってくれて、満足してます」とOさま。
家中に散りばめられたアンティークの家具や照明は、ご夫婦が厳選して集めたものばかりです。上質なものをメンテナンスやリメイクしながら、長く使い続ける暮らし。ご夫婦のライフスタイルが隅々まで反映された一棟になりました。